懲戒処分

依頼中の弁護士が業務停止になったら?案件の引継ぎと依頼者の対応

弁護士マップ編集部
4分で読める

突然「担当弁護士が業務停止」と知らされたら

2025年中だけで、業務停止の懲戒処分は100件以上出されている。自分が依頼中の弁護士が対象になる可能性はゼロではない。そんな時、案件はどう扱われ、依頼者はどう動くべきか。意外と知られていない制度と実務を整理する。

業務停止とは何か(簡単におさらい)

業務停止は、懲戒処分の4種類(戒告・業務停止・退会命令・除名)のうち、戒告の次に軽い処分

  • 期間:1ヶ月から2年まで
  • 効果:弁護士業務の全部ができなくなる(法律相談、書面作成、裁判所出廷 すべて)
  • 終了後:自動的に業務再開可能

「登録抹消」ではないため、期間が終われば弁護士資格は残ったまま復帰できる。

受任中の案件はどうなるか

弁護士法および各弁護士会の規則により、業務停止を受けた弁護士は受任中の全案件を速やかに処分しなければならない。選択肢は以下の3つ:

1. 他の弁護士への引継ぎ(最も一般的)

  • 同じ事務所の別の弁護士に引き継ぐ
  • 他事務所の弁護士に紹介して引き継ぐ
  • 依頼者に説明し、新たな弁護士を自由に選んでもらう

2. 依頼者への案件返却

  • 委任契約を解除し、事案を依頼者に戻す
  • 預かり金・資料・証拠を返却
  • 依頼者が自分で新たな弁護士を探す

3. 終了間際の案件は完了まで待機

稀に、判決言い渡し直前など、業務停止の効力発生までに完了できる見込みが高い案件は、その前に処理することもある。ただし基本は原則「受任中案件は全て停止時点で止める」。

依頼者が取るべき5つのアクション

1. 業務停止の通知を確認する

通常、所属弁護士会から依頼者に通知が届く。届かない場合、事務所から連絡があるはず。まず連絡を待つ。

2. 引継ぎの方針を確認

「この事務所内で引き継ぐのか」「別の弁護士を紹介するのか」「契約を解除するのか」を明確にしてもらう。書面で残すのがベスト。

3. 預かり金・資料を回収

着手金・実費・証拠書類など、自分が預けていたものを全て確認し、返還してもらう。預り金の返還が滞るのは懲戒事由の上位なので、しっかり追及する。

4. 新たな弁護士を選ぶなら比較検討

引継ぎ先の弁護士が事務所から紹介されるケースもあるが、依頼者に選択権がある。紹介された弁護士を含め複数名と初回相談をし、自分で選ぶのが賢明。

5. 費用の扱いを確認

着手金の返還・成功報酬の扱い・実費精算など、処分弁護士との費用清算は必ず書面で。

費用はどうなる?

最も揉めるのが費用面だ。原則:

  • 着手金:既に着手済みなら原則返金されないが、全く進行していなければ返還される可能性。交渉次第。
  • 成功報酬:業務停止で業務完了できない場合、発生しない(未発生なので当然)
  • 実費:使った分のみ清算、未使用分は返還

問題は、引継いだ新しい弁護士が、別途着手金を請求するケース。依頼者としては「二重払い」に感じる。この点は新旧両方の弁護士と交渉が必要。

「なぜ業務停止?」と聞くべきか

遠慮せずに聞くべき

  • 業務停止の理由は官報・日弁連公告で公開情報として誰でも見られる
  • 聞けないのは依頼者の方が気まずいだけで、法的に秘密ではない
  • 理由によっては、自分の案件もリスクに晒される可能性あり

例:「預り金の不正管理」が理由で業務停止→自分の預けたお金は大丈夫か確認必須。

再発防止:弁護士選びの段階で確認すべきこと

同じ事態を次回回避するために:

  • 懲戒処分データベース で過去の処分歴を確認
  • 業務停止歴が複数回ある弁護士は要注意(再発率が統計的に高い)
  • 口コミに「連絡が遅い」「お金の管理が雑」の指摘がないかチェック

まとめ

業務停止は依頼者にとって大きな混乱だが、冷静に対処すれば損失は最小化できる

  • 通知と引継ぎ方針を書面で確認
  • 預り金と資料を回収
  • 新しい弁護士は自分で比較して選ぶ
  • 費用の二重払いは交渉で減らす

懲戒処分データベースで弁護士を確認する →

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