初回相談は「相性確認」の場でもある
弁護士への初回相談は、依頼の可否を決める大事な場だ。多くの人は「相談内容を伝えて解決策を聞く」ことに頭がいっぱいになり、弁護士を見極める質問ができていない。結果として「何となく信頼できそう」という雰囲気だけで依頼し、後悔するケースが後を絶たない。
依頼前の初回相談で、必ず確認すべき5つの質問がある。
質問1:費用の内訳と、変動可能性を教えてください
「着手金はいくら?」だけで済ませない。以下を明確に聞く:
- 着手金(依頼時に払う、原則返金なし)
- 成功報酬(勝訴・和解時に払う。成功の定義と計算方法を確認)
- 実費(印紙代・交通費・謄本取得費など)
- 日当(出張対応時など)
- タイムチャージ(企業法務系で採用されるケース)
確認ポイント:
- 「途中で追加費用が発生する可能性はあるか」を必ず聞く
- 書面(委任契約書・見積書)を出してもらえるか確認
- 「口頭の説明 ≠ 契約書の内容」であるケースが懲戒でよく出る
質問2:同種案件の取扱い実績を教えてください
「離婚は得意です」「相続は多く扱ってます」の言葉だけでは判断できない。具体的に聞く:
- 過去1年で何件くらい担当したか
- 相手方の特徴(事業者、専門家、一般個人など)
- 到達できた解決パターン(調停成立、判決、和解)
実績の裏付けとして:
- 事務所HPに「解決事例」のページがあるか
- 弁護士マップの口コミ に実際の依頼者の声があるか
- 初回相談中に「過去の類似案件でどう進めたか」を具体的に話せるか
質問3:連絡頻度と連絡手段はどうなりますか?
懲戒処分で最も多い理由の一つが「連絡不通・報告怠慢」だ。
- 連絡頻度:進捗報告は月1? 都度?
- 連絡手段:電話・メール・LINE・事務局経由
- 返信までの標準時間(24時間以内、3営業日以内 など)
- 担当者は弁護士本人か、事務員か
「何かあったら連絡します」という曖昧な返答は要注意。具体的な頻度と手段を約束できる弁護士を選ぶ。
質問4:解決までの見通し(期間と結果)を教えてください
誠実な弁護士は「100%勝てる」とは言わない。代わりに:
- 最短・通常・最長の3パターンの期間見通し
- ベスト・ワースト・中間の3パターンの結果見通し
- 依頼者がやるべきこと(証拠収集・書類準備など)
「絶対勝てます」「必ず100万取り返せます」は禁句。こうした言い回しをする弁護士は業務広告規程違反の可能性もあり、依頼を控えた方が良い。
質問5:事件途中で担当弁護士が変わる可能性はありますか?
大手事務所や法人格の事務所では、担当弁護士の入れ替わりが起きうる。
- 自分は「事務所」に依頼するのか、「この弁護士個人」に依頼するのか
- 弁護士が退職・異動した場合、引継ぎはどうなるか
- 複数弁護士が関与する場合、主担当は誰か
委任契約書に「担当弁護士の変更が可能」と記載されていることが多い。事務所としては当然だが、依頼者としては主担当が変わる可能性を理解しておくべきだ。
プラスα:懲戒処分歴を確認する
質問ではないが、初回相談の前にチェックすべきこと:
- 弁護士マップの懲戒処分データベース で当該弁護士の名前を検索
- 直近10年以内の懲戒処分があれば、その内容を把握
- 相談時に「処分の経緯」について直接確認してもよい(誠実な弁護士なら説明する)
終わりに
初回相談は無料のケースが多い(30分〜1時間)。弁護士を見極める機会として活用すれば、失敗する依頼のリスクを大きく下げられる。メモを取り、複数の弁護士と相談した上で、自分に合う一人を選ぶのが賢い進め方だ。