懲戒処分

複数回の懲戒処分を受けた弁護士の傾向|15回最多、再発の実態

弁護士マップ編集部
3分で読める

「懲戒歴1回」と「5回」は全く違う

弁護士の懲戒処分は、一度で終わる人と、複数回繰り返す人が明確に分かれる。弁護士マップの懲戒データベース(1,988件)を弁護士単位で集計すると、衝撃的な分布が見えてくる。

処分回数別 弁護士人数

処分回数人数
1回385人
2回342人
3回78人
4回63人
5回26人
6回17人
7回9人
8回6人
9回4人
11回1人
14回2人
15回1人

※処分を1回以上受けた弁護士の合計:約935人

「2回目の壁」がある

1回目を受けた385人のうち、2回以上を受けた弁護士が342人。つまり1回処分を受けた弁護士のうち約47%が2回目も受けている

これは重要なシグナルだ。1回目は「偶発的なミス」で済むかもしれないが、2回目は明らかに行動パターンの問題を示唆する。

「常習化」する弁護士が存在する

5回以上の処分を受けている弁護士が83人存在する。これは全弁護士(約48,500人)の0.17%に過ぎないが、ほぼ同じパターンの違反を繰り返しているケースが多い。

具体的なパターン:

  • 預かり金の返還遅延を何度も指摘される
  • 案件放置で依頼者から苦情が繰り返し出る
  • 書類提出期限を常習的に守らない
  • 広告規程違反で再三警告を受ける

トップ15回は誰?

個人名の特定は控えるが、15回の処分を受けた弁護士が1人存在する。処分歴を時系列で見ると、同じ違反を何十年も繰り返している。それでも弁護士資格を失わないのは、個々の処分が「戒告」や「短期の業務停止」止まりで、除名・退会命令に至っていないためだ。

日弁連の懲戒制度は、累積による厳罰化が機能不全に近い。一回一回の処分を独立して評価するため、「5回目の戒告」が「1回目の戒告」と同じ扱いになる。制度上の課題とも言える。

依頼者が見るべきポイント

弁護士の懲戒歴を見る際、「件数」だけでなく「時期と内容」を見る:

1. 時期の偏り

  • 直近5年で複数 → リスク高
  • 10年以上前で以後なし → 改善の可能性
  • ここ数年は毎年のように処分 → 現在進行形の問題

2. 違反の種類

  • 同じ種類の違反が繰り返されている → 性格的・行動的問題
  • 種類がバラバラ → 偶発性もある(でも注意は必要)
  • 重処分(業務停止6月以上)が含まれる → 重大案件を起こしうる人

3. 依頼者トラブル起因かどうか

  • 預かり金・報酬トラブル系 → 自分も被害者になる可能性大
  • 広告規程違反など手続き的なもの → 依頼者への影響は間接的

「懲戒歴ゼロ」に拘りすぎない

一方で、「懲戒歴があるから絶対ダメ」とも言い切れない:

  • 数十年のキャリアで戒告1回の弁護士:ほぼ誰にでもあり得る
  • 真摯に反省して改善している弁護士は実在する
  • 新しく挑戦的な分野では、保守的な弁護士会から指摘を受けやすい場合もある

大事なのは「件数・時期・内容」を総合的に判断すること。単純な有無だけでなく、パターンを読む。

懲戒処分データベースで調べる →

まとめ

複数回処分の弁護士は、依頼すべきでない明確なサインがあるケースが多い。一方で、1回の戒告だけで一律に避けるのも偏りすぎ。弁護士マップでは、個々の処分の詳細(種別・期間・理由・時期)を開示しているので、判断材料として活用してほしい。

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