単純な弁護士数では測れない「法的アクセス」
「東京には弁護士が25,720人」「大阪には5,253人」──単純な数字だけでは、その地域で法的サービスが充実しているかどうかはわからない。人口規模が違うからだ。
本当の意味での「弁護士アクセスのしやすさ」は、人口10万人あたりの弁護士数で見るのが公平だ。この指標で都道府県を比較すると、日本の法的サービスの地域格差がより鮮明に見える。
人口10万人あたり弁護士数 TOP10(多い順)
| 順位 | 都道府県 | 10万人あたり |
| 1 | 東京都 | 約 180名 |
| 2 | 大阪府 | 約 60名 |
| 3 | 京都府 | 約 35名 |
| 4 | 福岡県 | 約 29名 |
| 5 | 兵庫県 | 約 20名 |
| 6 | 愛知県 | 約 29名 |
| 7 | 神奈川県 | 約 20名 |
| 8 | 広島県 | 約 23名 |
| 9 | 沖縄県 | 約 20名 |
| 10 | 宮城県 | 約 22名 |
※概算。人口は直近の総務省統計局推計値を参照。
人口10万人あたり弁護士数 ワースト10(少ない順)
| 順位 | 都道府県 | 10万人あたり |
| 1 | 埼玉県 | 約 14名 |
| 2 | 千葉県 | 約 15名 |
| 3 | 茨城県 | 約 10〜11名 |
| 4 | 栃木県 | 約 12〜13名 |
| 5 | 青森県 | 約 9〜10名 |
| 6 | 岩手県 | 約 10名 |
| 7 | 秋田県 | 約 10名 |
| 8 | 福島県 | 約 11名 |
| 9 | 山形県 | 約 10名 |
| 10 | 佐賀県 | 約 14名 |
東京都と最少地域では、9〜15倍ほどの差がある。
「埼玉・千葉が少ない」の意外性
埼玉県・千葉県は絶対数では1,011名・937名と多いが、人口が多いため10万人あたりでは全国平均を下回る。東京都から通勤圏内だが、生活圏で法的相談を完結させるのは意外と難しい環境だ。
依頼者が取れる対応策
1. 東京都内の弁護士にオンライン相談
最近はZoom等のオンライン初回相談が一般化している。地方に住んでいても東京の経験豊富な弁護士に相談できる。
2. 法テラスを活用
法テラス(日本司法支援センター)は全国に拠点がある。収入要件はあるが、無料相談・弁護士費用の立替制度が利用可能。
3. 大規模事務所の支店
ベリーベスト・アディーレなどは地方都市にも支店がある。初回無料相談から始められる。
4. 当サイトの分野別検索
「離婚 × 地域」「交通事故 × 地域」のように、分野と地域の交差で弁護士を絞り込める。
法的サービスはインフラ
弁護士数の地域格差は、法的トラブルを抱えた際の「救済へのアクセス」の格差を意味する。引越しの際の検討要素としては軽視されがちだが、離婚・相続・借金問題・事故対応など、人生の重要局面で必要になる。
一方で、デジタル化の進展で「物理的距離」の意味は薄れつつある。オンライン相談に対応する弁護士を広域から選ぶ視点が、これからの賢い弁護士選びの一つになる。